みなさんこんにちは。お元気ですか?
今日は穏やかな日です。外に出たくなる陽気です。
お出かけは難しいですので、庭いじりやお散歩をしましょうか。
近所にも藤の花が見事な公園がありますが、昨年同様ひっそりとしています。
こう考えてみると、人混みというのは一種のパワーを感じさせてくれる事なのですね。
まあ、沈んでいても仕方ないので、北欧の人たちのように家の中で楽しく暮らす工夫を
考えてみるのも良いですね。
さて本日はドビュッシーとスクリャービンの作品です。
まずドビュッシーの「版画」より(塔)です。
「塔」ドビュッシー
この曲は1889年のパリ万国博覧会で耳にしたバリ島のガムラン音楽の影響が
あると言われています。ガムラン音楽? 聞いたことありますか?
一つ聞いてみましょう。
ガムラン音楽
いかがですか? 長い曲が多いのですが、この曲は短い方です。
ほとんどが打楽器で同じテンポでずうーと続いていきます。
幻想的でなんか良いですよね。
初めて聞いたドビュッシーは、かなり衝撃を受けたことでしょう。
これはバリ島で聞かれるものですが、他に有名なのが「ケチャ」と呼ばれるもので
バリの民族舞踊音楽のことです。 これも圧巻ですから是非みましょう。
ケチャ
どうですか? すごいでしょう?
細かいリズムをいくつかのパートに分かれて刻んでいます。
これはかなりの練習が必要ですね。 体を揺らしてリズムをとっていますね。
昨年、今年はマスクをしてやっているそうですが、やはり迫力に欠けます。
マスクなしでのパフォーマンスを現地で是非みたいものです。
さて、だいぶ話がずれてきましたが、ドビュッシーはこのような音楽を見聞きして
驚いたわです。 そりゃ驚きますね。初めて聞いたときの衝撃は私も覚えています。
やはり民族音楽というものは長い時間をかけて完成されたものですから、
その土地独特のリズムや音階を持っています。
それに触発されて、曲を書いた、ということでしょうか。
版画
ドビュッシーのこの「版画」は3つの異なる土地を連想させる。
1 塔 ガムラン音楽の影響がみられるが、ペンタトニックを用いて
インドシナの民族音楽を模倣しており、アジアを暗示している。
2 グラナダの夕べ ジプシーの音階の利用によってスペイン情緒を掻き立てている。
3 雨の庭 フランスの童謡が引用され彼の母国フランスの庭園に降る雨が
描写されている。
この3つは単独で演奏されることもよくあり、全てが有名です。
次にスクリャービンの作品をご紹介します。
ノクターン 変ニ長調 作品9−2
では早速聞いてみましょう。
この曲は、学生時代に右手が一時麻痺した際に左手用に作った作品です。
アレクサンドル・スクリャービン
ロシアのピアニストであり作曲家でもありました。モスクワ音楽院に在籍し、
彼の同級生にあのラフマニノフがいました。手の大きかったラフマニノフに比べ
スクリャービンは小柄で手も小さかったのですが、学生時代に同級生らと
超絶技巧の難曲の制覇数を巡って熾烈な競争を無理に続けて、ついに右手を
故障するに至った。
回復するまでの間に、左手を特訓するとともに、ピアニストとしての挫折感から
作曲にも力を注ぐようになりました。
そこから生まれたのが、この曲なんですね。
まとめ
今日はかなり脇道にそれた部分がありましたが、私個人としては
民族音楽もまた良きものかな、と思っています。
音楽は成熟期をすぎると、外に題材を求めて、当時のヨーロッパのアーテイストたちは
アジアなどへの関心が出てきました。ドビュッシーにとっては、行ったこともない異国ですが、
その初めて聞いた音楽に何かを感じずにはいられなかったのでしょう。
スクリャービン の右手を痛め麻痺してしまうほどの練習は、どのようなものだったのでしょうか。
シューマンもそうですがスクリャービンも気難しい性質であったようです。
かなり特異な練習をしたのではないでしょうか。
皆さんも指を炒めるほどの練習はおやめくださいね。
ではまた。