音楽 好きな事 毎日の習慣

皆さんこんにちは。

しばらく雨が続き、気持ちも鬱陶しい感じでしたが、皆様お元気でしょうか。

 

私は現在、米国の論文に基づく「音楽の大切さ」をお話ししています。

実際に発表されている論文ですので、長文で少し私自身も頭いっぱいの感じがあります。

まだまだ続編があるのですが、この辺で少しブレークしたいと思います。

 

 

皆さんにはどうでも良いことでしょうが、私の趣味の一つに海外旅行があります。

このブログを立ち上げた時は、旅のブログにしたい!などと考えていましたら、

コロナが始まり世界中が大変なことになってしまいました。

 

海外旅行どころではありません。

でも私のもう一つの趣味というか仕事である音楽は、室内で籠もってできることですので、

私的には充実して、「緊急事態宣言」の期間を過ごしました。(?)

毎日練習すると、本当に上達します。

自分でも感じました。

ですから皆さんも、毎日少しずつ何かを練習したり、作り続けると大変な事になります。

しかし人は弱い生き物❗️

ついつい[明日やろう!]などとなりがちです。ですが、❗️ 本当に好きな事だったら絶対に続けることができます。

止めろと言われてもやりますよね?

その(好きな事)を沢山見つけて欲しいです。そしてお子様がいる方々には、是非お子様の好きな事を発見していただきたいと思います。

お子様は、やがて大人になって社会に出て行きます。好きな仕事についたなら、必ず成功します。好きではない仕事して、大成功することは、ありません。

私も、今は旅行に出ることは少し考えてしまいますが、また大好きな旅行に行けたら良いなと思っています。

皆さんの好きなことは何ですか?

もし楽器を始めてみたい時は、軽めのからスタートするのも良いですね。

今は楽器も付いてくるなんて、すごいのもあります。気負わないで、やってみるのもアリかも❣️


旅行好きの方たちは、今本当につらいですよね?

でも、やがて旅に出ることが楽しめる時が必ずきますから、あともう少し我慢しましょう。

ではまた。


脳活、育脳、IQ について 「これからの時代に必要な知性と理想像」 とは?

こんにちは、皆さん。

今日は今まで「IQが高いという事」や「音楽と知性の関係」などをお話ししてきました。

音楽のトレーニングを受けると、IQや実行機能に良い影響が出るという研究結果が

たくさんあります。

 

でもIQがどれほど重要か?

アメリカでは、そんな議論があるそうです。

 

IQについて

 

IQだけを上げるためだけに、子供に小さい頃から詰め込みの教育を受けさせたら、

弊害になることもあるかもしれません。

IQについては注意が必要です。

保護者も知っておかなければいけないことがあります。

 

ルイス・ターマンはアメリカの著名な心理学者で、IQの力を信じていました。

IQが高ければ人は将来成功すると思っていました。

その証明のために、彼はサンフランシスコ近辺の優秀な子供を学校の先生たちに

推薦してもらいIQテストをして、その成績が135以上の子供たちの追跡調査を

生涯にわたって行いました。

 

そのほとんどの子供たちは、後に収入が平均以上、健康であり、社会的な成功者と言える

大人になりました。

しかし、IQ値が135に満たなくて選ばれなかった子供たちの中から

2人のノーベル賞受賞者が出たのです。

ウイリアム・ショックレー と ルイス・アルバレズです。

二人ともノーベル物理学賞を受賞しました。

 

このことから、大いなる成功はIQだけによるのではないことがわかりました。

もし私たちがIQの高さだけで人を選ぶと、革新的で新しい発見ができる人を

除くことになります。

知性と創造性は別のもので違く動きをします。

 

アインシュタイン博士が、「イマジネーションは知識より重要である」と言っています。

カリフォルニア大学の研究者がいくつかの発見をしました。

 

1 自分の専門分野で自分なりの創造性を発揮してその分野に影響力を与えるまで

10年はかかる。

2 創造力は学校での勉強の結果より、学校外の教育や知識が関わっている。

 

そして、Alla Gubenko氏から、AIは子供のようには創造的ではありません。

アイデアを生み出す力は私たち人間にできる特別の能力です。

この能力の価値を、人間と機械との共同文明の中で持ち続けていくべきです。

そして音楽トレーニング、ピアノレッスンは「知性と創造性」の両方を育むことができます。

ピアノと他の楽器

 

音楽トレーニングのなかで、特にピアノを引く行為はいくつもの段階があります。

 

1、 まず譜読みをする。

2、 片手ずつ練習する。

3、 両手で合わせる。

 

他の楽器、例えば管楽器や弦楽器は、2と3が少し変化していますよね。

このステップは、ピアニストにとっても同じはずです。

私の意見としては、何事もステップを踏むことが大切ですから、全てにおいて

このステップが身についていると、「なんでもできる」人になっていくように思います。

 

子供からだけではなく、大人になってからも、ピアノ演奏や音楽創造は私たちの

「痴呆症予防」になり、「脳の高齢化」を遅らせる働きもあります。

ですから、皆さん脳に良いことをしてあげてください。すると脳もあなたによくしてくれます。

脳は音楽を喜んでくれます。

また、弦楽器などは、利き手である右手をよく使います。

ピアノは両手を使いますから、脳全体を使い発達させるのです。

 

まとめ

 

今日はIQが全てではない、というお話もしました。

何事もバランスが大切ですね。そのバランスを感じるのは、脳であり私たちの

人生の過ごし方ではないでしょうか。

 

これからAIの時代がやってきても、音楽は人の手によって育まれていきます。

私自身がピアノ講師ですから、是非皆さんにピアノを弾いていただきたいですが、

住宅事情や置き場所など、特にアパートに住んでいる方などは、悩むところです。

 

いきなりピアノではなくても音楽を楽しむことはできます。

気軽に始めるにはギターなどもいいと思います。

トランペットなどの管楽器は皆さん練習場所に苦労されているようです。

 

電子ピアノは、その点では夜でも練習できるところが利点ですね。

 

⇩ ウクレレの自習タイプの資料です。

小型のウクレレは気軽に楽しめそうです。

もし興味があったら、どうぞ。


 

まだまだ続きます。今日はここまで。

ではまた。

 

ハーバード流 育脳ピアノレッスン 「大人における音楽の訓練、知能、実行機能の関連」

皆さんこんにちは。

台風の影響か急に”寒く”なりましたね。もう”涼しい”を通り越しています。

 

今日はいよいよ大人にとって音楽の訓練は知能にどう影響するか、などについてお話しします。

 

大人の知能

 

「大人における音楽の訓練、知能、実行機能について」

3つのグループのIQと実行機能を調査

 

1 ミュージシャン : 5年以上の音楽の訓練を受け、音楽アカデミーでの最終学位がある人、または演奏や音楽教育活動に

従事していて収入を得ている(楽器は不特定)

2 アマチュア : 5年以上の音楽の訓練を受けているが、ミュージシャンの条件に一致しない

3 非ミュージシャン : 音楽トレーニングが3年未満

 

音大に行って演奏家になった人たち101人が対象になっています。

楽器はあえていろんな楽器の演奏家を対象としたようです。

 

共通することは、音楽の訓練、音楽トレーニングを受けたかどうかです。

結果は!

 

「大人における音楽の訓練、知能、実行機能の関係について」

結論

  • ミュージシャンは4種類全部のIQテストで最高成績

  • 言語性IQ、動作性IQ、全IQ、補助IQ

  • 訓練期間が長いほど、IQへの良い影響がある

  • 実行機能テストも最高成績

  • 実行機能と音楽の訓練期間/時間は正比例

  • 音楽の訓練+他の専門分野がある人はより認知機能が高い

  • 「子供にも音楽のIQへの良い影響は現れる

 

どうやら、音楽の訓練、音楽のトレーニングを受けるとIQに良い結果が出るようです。

 

音楽トレーニングと認知発達の関連

Schellenberg(2004)では、144名の6歳の子供のアンサンブルのIQが

Wechsler Intelligence Scale for Children-Third Edition(WISC-lll)によって

1年間の音楽または演劇クラスの前後に評価されました。

著者らは対照グループの子供たちのWISCスコアが大幅に改善され、それに加えて、

口頭理解や知覚的組織指数も向上しました。

 

(2011)Schellenberg では、9歳から12歳の106人の子供(半分は音楽的訓練を受け、半分は未訓練)が

Wechsler Abbreviate Scale of Intelligence(WASI) でテストされ、音楽グループのIQが非音楽グループより高いという

結果を得ました。

加えて、小児期の音楽トレーニングは、学業成績への良い影響(Schellenberg, 2006)と

言語関連能力の向上(Moreno,2009;Francois et al, 2013)が報告されています。

IQの種類

 

IQには色々なものがあります。

「言語IQ」とは、「耳で聞いた情報を処理する能力や言葉を使って考え、表現する能力」を示すIQです。

「動作性IQ」とは、「目で見た情報を処理する能力、非言語的な知識や空間的な動きを把握する能力」を示す。

「全検査IQ」とは、「言語性IQ」と「動作性IQ」から算出される総合的な知的発達の水準を示す IQです。

そして、WMIとは)ワーキングメモリ(working memory) :作業記憶、作動記憶そして注意力です。

その結果、その全てで演奏家グループは、最高成績だったそうです。

 

ハーバード大学子供発達センター

 

ハーバード大学子供発達センターの動画によりますと、

私たちには、繰り返し練習することで身につくコアな力が必要なのです。

科学的にはこのスキルは、実行機能または自己制御能力と呼ばれ、重要なことに集中し計画を立て、

目標を達成することを助けてくれます。

→ ピアノレッスンでは楽しみながら繰り返し練習していきます。

これによって私たちは生活で起こる様々なことに対応しながら間違うことなく、生きていくことができるのです。

またこのスキルは私たちの衝動的な行動を抑え、必要な時に方向性を正してくれます。

→ 曲を仕上げるまでの忍耐が育ちます。

幼少期を通して複雑な神経回路が構築され、脳の様々な領域に広がくことにより、私たちのコアなる力が

発揮できるようになります。

使えば使うほど神経のつながりは協力で迅速なものになります。だから練習がとても大切なのです。

→ 音楽トレーニングで脳の構造が変わります。

子供の時にコアとなる力を身につけることはその後の人生に強固な基礎を与えてくれます。

以上がハーバード大学子供発達センターのものです。

 

まとめ

 

論文の翻訳を引用しますと(翻訳:バイオラ大学 ピアノ教育学講師 河村まなみ先生)

 

音楽トレーニングは、複数の認知機能と基礎となるニューラルネットワーク(神経回路網)

を利用する多感覚体験です。

実際、ポリフォニックな音楽を聞いたり、理解したり、演奏したりするには、音とリズムの同時処理、

高次の知覚処理、細かい感覚運動が全て総合的に、同時に、スムーズに行われることが必要です。

長期的な音楽トレーニングは、これら全ての機能を日常的にとりいれてトレーニングするため、

ミュージシャンは音楽関連の能力だけでなく、関連脳作用全般のスキルも向上させるようです。

従って、ミュージシャンは音楽の複雑な規則性と非規則性などを感知する聴覚と生産能力に優れているということ

がわかっています。

 

ぜひ、お子さんにピアノで繰り返し練習することで身につくコアな力を

やりたくないことをする力」をも、身につけてさせてあげてください。

今日は少し長くなりましたが、何故ピアノが良いのか、ということについて

自信を持ってご紹介できたと思います。

 

ではまた。

 

 

 

 

 

 

 

育脳ピアノ スタインウエイの「ピアノを弾く効果」などについて

皆さんこんにちは。

今までずーっと、子供にとってのピアノ教育についていろいろお話ししてきました。今日はまず最初に、

アメリカが世界に誇るピアノ ”Steinway and Sons” が出している、ピアノと音楽についての興味深い内容をお話しいたします。

 

ピアノを弾く効果

 

「音楽は、それ自体が目的だと認識されるべきであり、別の目的の手段であると見なされるべきではない。」

これに近い表現で私の学生時代の先生はこうおっしゃいました。

「音楽が何かを表現するのではなく、音を表現するのである。」

 

では、ピアノ製造会社としての考えを、どうぞ。

 

音楽が心身のためにとても良い、ということはよく知られてきた事実です。

特にピアノは、良い気分転換に、創造的な表現のツールとして、また余暇の楽しみのために愛され使われてきました。

そして近年では、ピアノを弾くことによって健康な身体、健康な心、健康な生活が得られるという多くの証拠が明らかになってきています。

 

健康的な身体の成長

すわっていてもピアノを弾くことはそれ自体がワークアウトで、ピアノを弾く全ての方に様々な

身体的、生理学的恩恵があります。

例えば日頃からピアノを弾いているお子さんは指先の細かい動きがより器用になり、目と手の運動的運動能力が

増します。

一方、高齢者向けのピアノのレッスンは、成長ホルモンの上昇に大きな影響を与え、老化の悪影響を遅らせるという

研究結果が出ています。

さらに、音楽を生活に取り入れることで、不安感、心拍数、呼吸数、心臓合併症を軽減し、血圧を下げ、

免疫力を高めることも証明されているのです。

 

知性を研ぎ澄ます

ピアノの練習は知的能力、認知機能を高めます、その結果賢くなり、数学や幾何学に使う脳領域を活性化させます。

またピアノを習うことによって、記憶力、特に言語記憶、また集中力や忍耐力が大幅に向上します。

数年間のレッスンをとると他の子供たちより平均20%多くの言葉(英語)を覚えているという統計が出ています。

つまり幼少期から音楽の訓練を受ける事で、後の高度な授業内容などを記憶する力もつくことになるのです。

またピアノを弾くことで時空間的感覚が向上し、後に数学、化学、エンジニアリングを理解する助けに

なるとされています。

幼少期から継続的に練習をすると、脳に構造的な変化が生じ、その状態は一生変わりません。しかもその脳は

大変効率がよく、音楽以外の情報や問題も効果的に対処することができます。

 

心の安定

研究によると、ピアノの練習にある程度の時間を費やすと、

心が安定するそうです。

また楽器を弾く人は、不安感や孤独感が軽減され、鬱などに陥りにくいそうです。

ピアノを弾くことでストレスが解消されるばかりか、自分に自信を持つ機会にもなります。また

注意欠陥障害のお子さんの治療の一環としても役立ちます。

 

生涯続く健康的な生活

ピアノを弾くことは、健康的な生活を送るための数え切れないほどの

良い効果があります。

ピアノを購入されることで、あなたはピアノ学習者、奏者として、ピアノ音楽の長い歴史に

支えられた文化的なネットワークの一員となるだけでなく、200年にわたって居間の中心にあって

家族を一つにし、友人やコミュニティーに音楽のパワーを提供してきたピアノという楽器の

所有者になるのです。

どうでしょう。さすが、スタンウェイの出した文章ですね。よく研究結果なども知っています。

ここでは、「脳に良い」だけでなく、ピアノという楽器の存在に意味を持たせてもいます。

 

テレビがなくラジオから音楽を聞いていた時代、アメリカの人は「ミュジック・シート」という

簡単な楽譜を買い求め、自宅の楽器(ピアノ)で音楽を楽しんだ、と聞いています。

ですから、結構ピアノを弾ける人口があったし、ピアノもよく売れたのでしょう。

      

ピアノを習うと

 

もしあなたが、お子さんにピアノを習わせたいとお思いなら、

質問したいことがあります。

 

どうしてピアノを習いたい、習わせたいと思いますか? 例えば

  • 子供が音楽が好きだから
  • 音楽が好きになってほしいから
  • ピアノが弾けたら楽しそうだから
  • ピアノを弾けるようになってほしい

 

それ以外に

感性豊かな子に育ってほしい=ピアノを習うとそういうことが身につきそう。

などもあるかもしれません。

 

大人のピアノ

 

最近では、多くの大人の方がピアノを楽しんでいらっしゃいます。

その理由の一つには、やはり「脳に良いらしい」ということが広まっているからです。

楽しいだけではなく、長い人生の友としてピアノを選択することは正解です。

 

まとめ

 

今回は人生とピアノとの関わり、などについてお話しいたしました。

次回は「大人のピアノとIQの関係についてお話ししたいと思います。

 

それではまた。

 

 

 

 

 

和音について 人は和音が好き 「アメリカでの研究による取り組みやキャンペーンについて」

皆さんこんにちは。

夏は本当に終わりましたね。

夏の思い出は何かありますか?

 

さて今日は、皆さんが大好きな和音などについて、お話ししたいと思います。

私も子供の頃から和音が好きで、和音を弾くと幸せな気持ちになりました。

その後、和声の勉強に入った時も、楽しかったです。

現在は、コード奏法を勉強していますが、曲を引かなくてもコードだけ弾いているだけで

満足することも多いです。

 

人は和音が好き

 

  • 新生児から大人まで、人は非今日和音より協和音を聞くことを好む
  • 和音は量大脳半球を刺激し、血流が増加
  • ピアノを弾くことで和音を作り出せる

 

単音よりも和音がいいですね。 ピアノを習ったことがない方でも、一度に2つの音を弾いたり、

3つの音を弾いてみたりして、楽しんで欲しいです。

 

ここでアメリカの論文を翻訳してくださった、河村先生の結論をどうぞ。

 

私的結論

  • 個人レッスンはグループレッスンより脳育に効果的と思う。
  • ピアノは他の楽器より脳育に効果的と思う。
  • 早く始めて長く続けるのが脳に効果的(これは実証済み)
  • グループレッスンは社会適応能力をより育てるかもしれない(南カルフォルニア大学の調査で、
  • バイオリン・グループは思いやりの気持ちが突出していた。)

一人で演奏することも育脳に効果があり、複数で演奏することは他人を思いやることが必要になっていきます。

⬆️は私の意見です。

レッスンを始める時期

 

では具体的に、脳科学的にレッスンを始める適切な時期について。

 

アメリカ、カルフォルニア州での取り組みをご紹介します。

”Firstー5 California” キャンペーン というものです。

子供の0歳から5歳は将来を決める成長期です。

話しかけ、読み、歌いましょう!

 

新生児には話しかけ、音楽を聞かせ、親が歌いましょう。

幼児には歌ったり、音楽に合わせて体を動かしたり、指の体操をさせましょう。

5歳までに簡単な数字やアルファベットを教えましょう。

上記の内容のテレビ・コマーシャルを流しているそうです。

5歳までには音楽的なことを始めていた方が良いですね。

 

またさらに別の資料では、

「あなたの子供はリズム感がありますか?」

(3〜4歳のリズム感と言語能力)

3〜4歳で音楽的なリズムを聞き、真似てうてる子供は、そうでないこどもより、、、

・雑音の中で言葉や音をより正確に聞き分けられた

・言葉の発音がより正しくできた

・一般の4~5歳児と同等の聴覚だった

またさらに年齢を上げると

「子供の音楽の訓練期間と読解力の関係」

(6〜9歳児の音楽経験と学力)

 

レッスンを長く受けているほど読解力がより高くなる

学校の成績も高い傾向にある

注意力、集中力、分析判断力(reasoning skill)も高い

 

「音楽活動と脳の可塑性は一生つづく良い関係」

(7歳が分岐点!)

論文翻訳を参照

7歳前にレッスンを始めた子供は、それ以降に始める子供より

聴覚が発達する

運動機能領域が発達する

脳梁が大幅に太くなる

皮質脊髄路(大脳皮質の運動やから骨格筋に至る伝道路)

ここでははっきりと7歳が分岐点と言っています。

「複雑な聴覚を分析する聴覚テスト」

(音楽の訓練期間と聴覚の関係)

70人の平均24.8歳の人たちの聴覚テスト

  • 1 2年以上音楽の訓練を受けた人
  • 2 2年以下の人
  • 結果は
  • 年以上訓練を受けた人たちが全ての聴覚テストで成績が良かった。
  • 訓練年月と聴覚テストの成績はほぼ正比例した。

 

上記の表の中の黄色の曲線は急速に神経接続が形成される。

青は言語神経が6歳で大人のレベル

赤は交互な認知機能で15歳で大人のレベルに達する。

 

ですから、

まとめ

 

なるべく早くから、聴覚教育のために、音楽を聴く、リズムを打つ歌を歌うなどの音楽的活動を

始めると良いです。

楽器を習うのは遅くとも7歳までに始める。

最低2年間続け、長く続けるほどよい

 

という見解になりました。

 

今まで出てきた論文は音楽関係者からではなく、脳科学からの資料であります。

まるで、音楽教室の宣伝文句みたいでしたが、これらはれっきとした米国の論文です。

 

こうなってくると、「ピアノは子供のうちからやらないと。。。」

という声が聞こえてきそうですが、それはまた次回に回しましょう。

まだまだ続きます。

 

ではまた。

 

 

 

 

ハーバード流育脳音楽 「大人における音楽の訓練」知能、実行機能の関連について

皆さんこんにちは。

夏も終わりになり、気候の変動で体調を崩していませんか?

 

さて今日も音楽と脳についてのお話をします。

 

大人のIQについて

 

音楽と大人のIQにはどの様な関連があるのか。

 

3つのグループのIQと実行機能を調査した。

 

1。ミュージシャン(音楽家):5年以上の音楽の訓練を受け、音楽アカデミーでの最終学位がある人(音楽学校卒業)、

または演奏や音楽教育活動に従事していて収入を得ている。(楽器は不特定)

2。アマチュア :5年以上の音楽の訓練を受けているが、ミュージシャンの条件に一致しない。

 

実行機能とは、認知機能から実行機能(遂行機能)へと繋がるもの。

認知機能 :  外からの刺激に対して記憶、思考、理解、計算、学習、言語、判断などをする知的な能力。

実行機能/遂行機能 : 認知した後に、複雑な画題の遂行に際し、課題ルールの維持や変更、情報の変更

などを行うことで、思考や行動を制御する高度な認知機能。

 

結論

  • ミュージシャンは4種類全部のIQテストで最高成績
  • 言語性IQ、動作性IQ、全IQ、補助IQ
  • 訓練期間が長いほど、IQへの良い影響がある。
  • 実行機能テストも最高成績。
  • 実行機能と音楽の訓練期間/時間は正比例した。
  • 音楽の訓練他の専門分野がある人はより認知機能が高い。

という結果が出ました。

 

下の写真、大変見づらいですが、黄緑色の部分が、脳梁(左右の大脳半球を結ぶ橋)

ですが、この部分が太くなるのが特徴です。

ピアノは脳全体を使う

 

では私たちがピアノを練習している時、していることは、

 

  • 大譜表を見て、膨大な量の情報を読み、分析する
  • 適切な感情、状況、音のイメージなどを頭に置く
  • 10指を違う方向に高速でうごかす
  • 指は正確に鍵盤の動きをサポートするために動く
  • 練習では、この動作の一つ一つを決定づけ、記憶する
  • 演奏では、記憶を呼び覚まし、適切に音を出し(現在)、出た音を分析(過去)、
  • 次に出す音を随時に考え、修正(未来)

 

[音楽家(鍵盤楽器奏者)の手の運動コントロール機能について」

  • 非音楽家は聞き手の反対側の大脳半球が発達するが、鍵盤楽器は両手を使うので
  • 両方の大脳半球がほぼ均等である。
  • でもピアニストは右手の多用により左大脳半球がより発達
  • バイオリニストは右半球が発達という傾向
  • 右利きの人は大脳半球に、言語野を持つ人が多い。
  • つまり、ピアノの訓練は言語やをより刺激する可能性が高い。

 

この辺は「指先を使うと脳に良い」ということになる様ですね。

 

『音楽家(鍵盤楽器奏者)の手の運動コントロール機能について』

 

  • 脳梁が太くなる
  • 特に鍵盤奏者とギター奏者
  • つまり脳内の情報伝達量と速度が増す
  • 小脳が大きくなる
  • つまり短期記憶、注意力、情動の制御、感情、
  • 高度な認識力、計画を立案する能力が増す

ここでのギター奏者は、クラッシックギターだそうです。

左手でフレットを押さえて、右手の指も使用するためです。

 

脳の構造的発達形成

 

『音楽のトレーニングは脳の構造的な発達を形成する』

  • ピアノ個人レッスンで、脳構造が変化し、音楽的に関連する
  • 運動能力と聴覚能力が発達する
  • 2つのグループの比較観察
  • 6〜7歳の音楽経験がない子供たちを15ヶ月レッスンする

 

15ヶ月間のピアノ個人レッスンで比較グループより向上した脳部位

  • 脳全体の堆積増加率
  • 小脳:運動機能領域
  • 前頭葉:認知機能、実行機能を司る
  • 側頭葉:聴覚、言語、ワーキングメモリーなど
  • 脳梁:脳内の情報伝達量と速度が増す=ピアノは両手を使い、
  • 左右の大脳間で情報が大量に行き交う為に太くなると考えられている

 

15ヶ月間のピアノ個人レッスンで比較グループより向上した脳部位

  • 右中心前回の堆積がます(手の動きを制御)=左手も使うから
  • 帯状皮質領域(行動、結果のモニタリング及び評価を
  • 次の行動につなげる意思決定過程に関与する場所)=楽譜を読むことを学び
  • 音楽をその感情的な内容に関連付けることで養われるから

 

まとめ

 

今日はまだ途中です。何度も実験の結果を見て、クドイくらいにピアノや楽器を演奏することが

脳に良い結果をもたらす、と説明しておりますが、次回は『和音』についてお話ししたいとおもます。

 

私も和音は大好きです。

 

ではまた。

ハーバード流 育脳ピアノレッスンの教科書 年収、学歴、遺伝の音楽の影響について

皆さん、こんにちは。

今まで何度かに分けて音楽に関する論文をお話ししてきました。

今日は、日常においての音楽の影響などについてお話ししたいと思います。

 

音楽の影響

 

音楽の影響で考えられがちなことは、「音楽の環境が良い」「親が高学歴である」などの

優位性ですね。

 

環境説としては、

ピアノを習える家庭は、

  • 親の収入が高い
  • 環境が良い
  • 教育費もかけてもらえる
  • 親が教育熱心

だから、子供の頭が良くなるのでは?

 

遺伝子説

ピアノを習える家庭は

  • 高学歴な親が多い
  • 遺伝子的な問題

だから、子供の頭が良くなるのでは?

 

では反対に、環境に恵まれず、低収入、低学歴といった場合はどうなのか?

 

まさに音楽は

こうした親の優位性にも負けない影響力があったという証明がなされました。

それを今まで論文を交えてお話ししてきたわけです。

 

エル・システマジャパン

 

南米ベネズエラでホセ・アントニオ・アブレウ博士によって始められた社会変革を

目指した音楽教育を「エル・システマ」と言います。

 

家庭の経済状況にもかかわらず、全ての子が無償で集団での音楽教育が受けられる仕組みが原点です。

子供たちが自ら、協調性や、規律を学びながら、目標に積極的に取り組んでいく姿勢を

育んでいくことによって、希望や誇りを持てることを目的としています。

 

この活動は世界的に活躍する、若手指揮者グスターボ・ドゥダメルなど多くの一流音楽家を

排出しているだけでなく、子供たちを犯罪や暴力から守り、学業面も含めてポジティブな影響を

与えてきていることで、ユネスコ、米州開銀等の外部機関からも評価されています。

2016年1月時点で、60位上の国と地域で展開しています。

 

私の住んでいる地域でも数年前に少年少女オーケストラが作られて、私のピアノ教室の

生徒さんも参加していました。

ここで実際にこのオーケストラに参加していた生徒さんたちのインタビューを

ご紹介します。

 

オーケストラに参加して

 

ユース・オーケストラ・ロサンゼルス

 

「私はオーケストラで演奏している時が一番好きです。

自分と仲間が一緒になって素晴らしい音楽を作り出せるからです。

その時には明日の食べ物や、今晩の宿題などの心配を忘れて、自分が弾く

一つ一つの音に集中して、それぞれの音をとうして物語を紡いでいきます。」

 

「違う楽器が一緒に練習し演奏するという過程は、人生そのものではないかと思います。」

 

「私達は、何もないところから来て、何もできないと思われているけど、とても美しいものを

創り出しています。誰でも一生懸命努力して目標に向かっていけば、私たちの様にできると思います。」

 

「クラシック音楽は、私が知らなかった私を見つけさせてくれた。また新しい視点もくれました。

クラシック音楽の世界はとても美しく、それゆえこの世界も美しいと思えます。」

 

などなど、子供とは思えない感想がたくさんあります。

 

音楽があれば、人生は変えられる。

 

脳の構造の変化

 

音楽で脳の構造が変わる?

興味深い研究があります。

 

まずは、聴覚が変化します。当然ですが、音楽を演奏しますので。

聴覚が優れていると、クラスがガヤガヤしていても、先生のお話を正確に聞き取れる様になり、

言葉の習得も早くなり、言葉を理解する力、コミュニケーション能力が優れてくる。

 

さらに、脳構造が変わり、脳内で情報を早く大量に伝達できる。

すごいですね。

ぜひお子さんに音楽のトレーニングを受けさせて、ハイスペック脳を!

 

そして音楽で思いやりのある子・我慢強いが育つ本当の理由。

これは実際にピアノレッスンをしている私も感じることです。

思いやり、我慢強いに関しては、スポーツでも養われると思います。

ですがスポーツには常に、勝ち負けがありメンタルの強さが強調されますね。

 

音楽はまず音が出ます、その音にまず脳が癒され、やさしい気持ちになります。

そして曲を仕上げるまでの努力や忍耐は、多くの曲を弾いていくことで、自然と

養われます。

 

まとめ

 

論文の執筆者の一人である、ハビビ先生のインタビューでは

 

「音楽グループの社会適応能力、時に共感や思いやりの気持ちが高く、

他人の気持ちを理解して同じ気持ちになれる能力が高かった。

この能力は実行機能よりもさらに音楽的能力とはかけ離れていますが

グループで音楽を演奏する時に自分を制して周囲の音を聞き、また指揮者に注意をはらい、

その指示にしたがうなどの行動が、実際には意思決定能力や将来を考える計画性といった脳力まで

もやしなっている。」

また認知機能をうけもつ前頭葉も優れていた。

認知機能は、自己の衝動や感情をコントロールし、目先の欲求を辛抱する能力です。

ですから、認知症の患者さんは、感情をコントロールできず、辛抱もできません。

 

ぜひ、お子様に音楽を?

 

まだまだ続きます。

 

ではまた。

 

 

 

 

ハーバード流 育脳ピアノレッスンの教科書 これから未来に向けての音楽事情について

皆さんこんにちは。

今日は9月11日。 忘れることのないニューヨークでの出来事。

そして生まれた多くの歌や音楽。 やっぱり人を癒せたのは音楽でしたね。

 

今日はこれからの音楽、音楽教育についてお話ししたいと思います。

かつては「音楽では食べていけない」と良く言われました。

私も言われてきました。 そして一時的に音楽から離れてしまうことがありました。

でもやっぱり戻ってきました。

 

我が子の将来を考えると、ピアノを習わせても・・・。

という疑問が湧いてきますが、それも過去のことになりそうです。

 

音楽で脳の構造が変わる

 

人には宿命と運命があります。 宿命は持って生まれてきたものです。

例えば両親が高学歴である為に、自分も良い教育を受けることができた。とか

親がスポーツ選手であり自分もその遺伝子を受け継ぎスポーツで活躍できた。

などですね。

 

ですけど、せっかくの良い遺伝子を受けても、その本人の努力や希望がなければ

成立しません。

 

かたや運命は運ばれてきた運ですから、今までお話ししてきた様に、

家庭環境が良くなくても、両親が高学歴でなくても、その本人の意思によって

宿命を変えることもできる、ということです。

 

音楽だけではなく、スポーツなどでも我慢強い人間が育つと思いますが、

今回の論文では、音による脳への良い影響が指摘されていますね。

すなわち脳の構造が変化することです。

 

音楽で起業する

 

雑誌プレジデントのオンライン版によると、AI時代でも消滅せずに稼げる業種の中に

音楽アーティストや教師などがエントリーされています。

AIに取って代わることはできない大切な職業なわけです。

 

昨日も新聞(東京新聞 9月10日)の朝刊1ページのしたの本の紹介コーナーに

「音楽で起業する」というタイトルの本を発見して嬉しくなりました。

その、紹介文を少し書き出しますと、

 

『欧米では、音楽と最新テクノロジーが融合した事業を展開するベンチャー企業が

続々と誕生しています。本書では、日本でも徐々に増えつつある「音楽起業家」たちに、

”何故起業したのか””起業家に必要なものとは何か”といった質問を投げかけ、実像に

迫りました。

流通経済大学准教授 八木良太 著

ということで、これからの時代を生き抜く若いひとの、たくましさを感じます。

がんばれ!  かっこいいです!

 

 

音楽で脳トレ

 

音楽は、左右両方の大脳半球を使っていて、しかも言語よりも広範囲です。

ですから、幼児期の言語習得に聴覚がとても重要な役割を担っています。

言葉と音楽といえば、「お歌」ですね。 歌いながら言葉を覚える方が、ただ言語を習得させるよりも

ずっと楽しいですし効果的です。

 

バレエなども音楽なしでは踊れませんし、最近では音楽を流しながら書道のパフォーマンスを

する方達がいらっしゃいますね。どちらも素晴らしいですよね!

そしていかに音楽の果たす役割が大きいか!

 

ただピアノを弾くだけでも楽しいですが、何かとコラボするのもすごく楽しいです。

自分以外の人と一緒に活動することは、音楽の世界を広げるだけでなく、人生を広げてくれます。

それを証明したのが、映画『ストリートオーケストラ』です。

 

ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、これは実話です。

サンパウロ交響楽団のオーディションに落ちたバイオリニストのラエルチが紹介された仕事は、スラム街の音楽教師。

5分たりとも静かにできない子供たちに愕然とするが、「ギャングがラエルチ先生の演奏に感動して銃を下ろした」と聞いた子供たちは、音楽に興味を抱き、演奏に喜びを覚え始める。

そこから事件があり、展開していくのですが、是非ご覧になってください。

 

今日のまとめ

 

脳を育てる音楽の無限の広がりを、この投稿をしながら日々感じています。

「音楽」が今まで、『お遊び』てきに扱われていた部分がありました。

クラッシックのプロ以外は、ただの趣味で女子がやるもの。

 

でも時代が変化してきました。 それに対してどう生きていくかを

問われる様になりました。 深くて広いですね。 まだまだ続きますよ。

 

ではまた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハーバード大学流 育脳ピアノレッスン 数多くの論文について 論文の読み方について

皆さんこんにちは。

ここ数回にわたり米国の音楽に関する論文を少しご紹介いたしましたが、

「論文」に触れることがあまりない私にとっては、わかりやすく解説してくださる方が

いらして、良かったと思うのです。

 

これから皆さんが論文を読んでどのようにまとめれば良いのか、

ということも含めておはなしいたします。

 

論文の読み方

 

論文の構成は、大体以下の様に分けられます。

 

表題題名ですね。

著者研究に関わった人達、所属機関、発表年など。

要旨/概要実験全体のまとめ。

序文背景(研究の発端となる社会的背景や問題の所在)、目的、仮説の設定など。

材料と方法実験素材(参加者など)と実験方法

結果実験結果

考察論文の最も本質的な部分、仮説を立証したか。

結論実験目的、結果、仮説を一貫させる。

謝辞今回は訳していません。

引用文献訳していません。

 

上記の様に論文は構成されている様です。

皆さんも参考にして、読んだり、書いたりしてください!

 

そして今回の英文の論文の翻訳、そして現地アメリカでの

ピアノ教育に携わっている、河村なおみ先生のおかげで私も

アメリカにおける音楽教育の立場の違いを、よく知ることができ

音楽に対する考え方にもっと自信を持てる様になりました。

 

音楽は楽しいだけではないが、楽しむことが大切なことや、楽しいだけにとどまらない

深い部分での人に与える影響を知りました。

皆さんは、どうお感じになったでしょうか?

 

追加

 

ここで論文を訳してくださった、河村先生が今回お感じになった、

「脳科学と音楽」の研究の流れを追加しておきます。

 

  • 1990年代: 音楽は脳に良い影響がある、という研究が多く発表された。
  • 2000年代: 反論が多くなった。
  • 2010年代: 反論を踏まえた研究がなされてなお、音楽は脳に良いという意見が多い。

 

そして認知機能と実行機能について。

 

認知機能?実行機能?

 

認知機能と聞くと、認知症を思い出しますが、認知症ではなく認知機能です。

 

認知機能(Cognitive function)

外からの刺激に対して記憶、思考、理解、計算、学習、言語、判断

などをする知的な能力のことです。

実行機能/遂行機能(Executive function)

複雑な課題を遂行する際に決めた、目標の達成のために行動を選択し実行する、

我慢する、ルールの維持や変更に合わせる、などの高度な認知機能のこと。

 

認知機能→実行機能(遂行機能)     認知機能により実行機能へと進んでいく。

ですから、やはり認知機能が衰えると実行することができなくなる、ということですね。

 

まとめ

 

論文の中身は大変濃くて、頭一杯になりますが、無駄なことは一切ないですね。

何かをしっかりと説明するときに論文を参考にすることは説得力を増します。

皆さんも何かの参考になったら嬉しいです。

 

ではまた。

 

 

 

 

 

ハーバード大学流 育脳ピアノレッスン  実験結果その2 情報伝達システムも優れていた

皆さんこんにちは。

前回に引き続き、南カリフォルニア大学で行われた実験結果の

続きをお話しいたします。

 

2011年から5年間にわたり、ロサンゼルス市内の恵まれない地域の

お子さんに音楽のレッスンを受けさせ、「音楽の脳への恩恵」を追跡調査した結果

の続きです。

 

情報伝達システム

 

認知機能を高める脳内の情報システムも優れていた。

 

  • 灰白質、白質の厚み(神経細胞がある場所が厚い)
  • 脳粱の太さ、(左右の大脳半球の間にある橋が太い)
  • 音楽のトレーニングを受けえると脳構造が変わり、脳内で情報を早く大量に伝達できる。

 

そしてIQテストについてです。

 

IQテスト

 

大変に気になるIQについては、

  • この実験ではIQはグループ間の差異がなかった。
  • 別の実験ではIQと音楽のレッスンが明らかになった。

音楽レッスンを受けた子供の IQは高くなる。

音楽レッスンを受けた大人のIQは高くなる。

長期間の音楽レッスンがIQに良い影響を与える。

 

つまり、音楽の訓練によって、

  • 学校、社会への適応力が向上
  • 学業、仕事によく取り組める
  • 人間関係がスムーズ

 

という結果になりました。

この論文のタイトルは、

「音楽トレーニングを受ける子供の高速聴覚情報処理能力」であり

南カリフォルニア大学の5年間の研究の2年目の中間報告です。

 

結論

 

音楽のレッスンは脳育に貢献し、理想の子供を

育てられる可能性がある。

 

以上がアメリカで出されている論文の結論です。

 

まとめ

 

論文中に何度も出てきましたが、「脳を育てる」ことができる。

ということですね。

 

ここでのレッスンは、オーケストラのように皆で合奏する形態です。(下の写真参考)

一人で弾くピアノと合奏する時では少し形態が違いますが、

音を良く聴く、という点では同じですね。

楽しそうにバイオリンを弾く子供たちは本当に嬉しそうです。

この子供達の中には、「バイオリンを弾いていると、明日に食べる物の心配を

忘れることができた。」と環境的にはあまり良いとは言えない状態です。

 

それでもやっぱり楽しいからレッスンに来る。そして仲間ができる。みな苦しい生活を

している子供たちばかりです。音を共鳴させることで、同じ価値観を体験し、友情を

感じたことでしょう。思いやりも芽生えたことでしょう。

 

それが学校での学業に影響を与えることにもなります。

前向きな気持ちになり、目標を持つようになると、人は変わりますからね。

この実験をヒントに映画も作られました。舞台はブラジルでしたが、もちろんブラジルでも

同じような子供のオーケストラはあります。

 

ピアノでも、連弾というのがあります。

お互いを感じあって弾かないと、いまくいきません。

2人で引くと楽しく、また4本の手で奏でる曲はスケールの大きなものとなります。

ですから連弾は経験すべきことですね。

 

きちんとした実験より導き出されたこの結果をしり

私は自分の仕事に誇りと大きな責任を感じるようになりました。

今まであまり知られなかった論文を知り、より多くの方に知っていただきたいと

思い、お話しさせていただきました。

 

このシリーズはまだ続きます。

 

ではまた。