皆さんこんにちは。
大きな台風が九州を北上してゆきました。
ここ関東でも時折激しい雨と風で、台風にあわれた地域の皆様の
一日も早い回復をお祈り申し上げます。
さて今日は、「幼児期の聴覚の重要性」などについて
お話ししていきます。
幼児期の聴覚の重要性
渕上達夫著「事象関連電位からみた小児の認知発達」
- 「聴覚」は単なる聴力を意味するものではない
- 幼児期に言語としての音の理解のために必要な能力
- 音に気づき、音の強さ、種類、音色、高低、リズムなどを認識し区別する複雑な機能
- 聴覚の発達に伴って言語理解の能力が飛躍的発達を遂げる
- また音の感度、方向性、弁別、認知力も著しい発達を遂げる
(幼児期は雑音の中から重要な音を聞く力などをつける
人間は生まれる前から聴覚があります。
生まれてからは聴覚を頼りに、周りを認識していきます。
そして人がなくなる時も最後まで聴覚は衰えないそうです。
言葉を覚えるのはもちろん、その聞こえてきた音で、色々なことを
認知してゆくのですね。
聴覚の重要性
「一次聴覚野」 Wikipediaから
- 聴覚野はヒトにおける言語、音楽の処理の神秘的な要所
- 右大脳半球の一次的聴覚野は調性音楽に対する感受性が高い
- 左大脳半球一次聴覚野は音声言語の音の僅かな違いをキャッチ
- 前頭前皮質内でも音を捉えて、共鳴する音、音の周波数、音に対して活性化し、負の感情を抑制する
- 音楽によって人々の魂が安らぎを得るメカニズムとして考えられるかもしれない
音は人を癒すということでしょうね。
聞こえてきた音楽が楽しいリズムなら、人は楽しさを感じ思わず笑顔になります。
聞こえる音楽がやさしい音色なら、人は気持ちが落ち着くのです。
よく、音楽を勉強できる環境は家庭が裕福で、ご両親が高学歴で、だから勉強もできてピアノも
上手なんでしょう。という意見もあります。
それに関して2011年から南カリフォルニア大学で追跡調査が行われました。
5年間の追跡調査
南カリフォルニア大学での2011年から5年間の追跡調査。
- ロサンゼルス市内の恵まれない地域の6歳から7歳児を募る。
- 地域により両親の学歴、年収などのバックグラウンドが異なる。
- 3つのグループに分けて脳の成長を観察する。
- 音楽のトレーニングを受けるグループ。バイオリンのグループレッスンだけで、今まで音楽のレッスンを受けたことがないことが条件。 レッスン代は無償、バイオリンは支給する。
- スポーツのトレーニングを受けるグループ。無償。
- 上記の2つのトレーニングを受けないグループ
この追跡調査の目標は、音楽が子供の成長発達にどう影響するのか解明する。
- 学業成績への影響
- 脳の認知能力の発達への影響
- 社会性、情緒的な発育への影響
調査内容は
- 言語能力
- 認知能力(集中力、記憶力、脳の実行機能)
- 社会適応能力(共感力、思いやり、友達関係)
- 脳構造
調査開始時に全員がほぼ同じ状態であることを確認し
一年ごとに同じ実験方法で再度調査し、グループごとの
傾向を調べる。
この脳構造検知のために
- MRIを用いて被験者全員の脳構造を画像処理
- 脳波測定。電極をつけたキャップをかぶって脳内の電気活動を測定する。
その実験結果、音楽グループは聴覚が優れていた。
- 音のピッチ、リズムの違いを識別できた。
- 第3者のリズムを真似する能力がある。
- 音情報の処理スピードが速い。
- スピードは8、9歳で、ほぼ大人のレベルだった。
- 他の音楽情報処理能力も優れていた。
言語を聞いて理解する能力
コミュニケーション能力
つまり、
- 音楽の訓練を受けた子供たちは教室内で雑音があったとしても
- 先生の話を他の子供より、より正確に早く聞くことができる。
- 3〜4歳時で音楽的リズムを打つ訓練を受けた子供は、そうでない同年代の子供より
- 言葉を早く習得する。
つまり学業成績に良い影響があり得る。
そして実験結果として、前頭葉も優れていた。
- 前頭葉は認知機能を受け持つ
- 認知機能とは、記憶、思考、理解、計算、学習、言語
- 判断、計算、感情のコントロールなどの知的な能力。
- 人が社会的、自立的、創造的な活動を行うのに非常に
- 重要な機能とされる。
今日のまとめ
まだまだ実験結果の続きがありますが、今日はここまでにします。
今回は結構重かったですね。
実験結果が多岐にわたりましたので、この続きはまた次回にいたします。
ではまた。
P.S
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