ハーバード流 育脳ピアノレッスンの教科書 年収、学歴、遺伝の音楽の影響について

皆さん、こんにちは。

今まで何度かに分けて音楽に関する論文をお話ししてきました。

今日は、日常においての音楽の影響などについてお話ししたいと思います。

 

音楽の影響

 

音楽の影響で考えられがちなことは、「音楽の環境が良い」「親が高学歴である」などの

優位性ですね。

 

環境説としては、

ピアノを習える家庭は、

  • 親の収入が高い
  • 環境が良い
  • 教育費もかけてもらえる
  • 親が教育熱心

だから、子供の頭が良くなるのでは?

 

遺伝子説

ピアノを習える家庭は

  • 高学歴な親が多い
  • 遺伝子的な問題

だから、子供の頭が良くなるのでは?

 

では反対に、環境に恵まれず、低収入、低学歴といった場合はどうなのか?

 

まさに音楽は

こうした親の優位性にも負けない影響力があったという証明がなされました。

それを今まで論文を交えてお話ししてきたわけです。

 

エル・システマジャパン

 

南米ベネズエラでホセ・アントニオ・アブレウ博士によって始められた社会変革を

目指した音楽教育を「エル・システマ」と言います。

 

家庭の経済状況にもかかわらず、全ての子が無償で集団での音楽教育が受けられる仕組みが原点です。

子供たちが自ら、協調性や、規律を学びながら、目標に積極的に取り組んでいく姿勢を

育んでいくことによって、希望や誇りを持てることを目的としています。

 

この活動は世界的に活躍する、若手指揮者グスターボ・ドゥダメルなど多くの一流音楽家を

排出しているだけでなく、子供たちを犯罪や暴力から守り、学業面も含めてポジティブな影響を

与えてきていることで、ユネスコ、米州開銀等の外部機関からも評価されています。

2016年1月時点で、60位上の国と地域で展開しています。

 

私の住んでいる地域でも数年前に少年少女オーケストラが作られて、私のピアノ教室の

生徒さんも参加していました。

ここで実際にこのオーケストラに参加していた生徒さんたちのインタビューを

ご紹介します。

 

オーケストラに参加して

 

ユース・オーケストラ・ロサンゼルス

 

「私はオーケストラで演奏している時が一番好きです。

自分と仲間が一緒になって素晴らしい音楽を作り出せるからです。

その時には明日の食べ物や、今晩の宿題などの心配を忘れて、自分が弾く

一つ一つの音に集中して、それぞれの音をとうして物語を紡いでいきます。」

 

「違う楽器が一緒に練習し演奏するという過程は、人生そのものではないかと思います。」

 

「私達は、何もないところから来て、何もできないと思われているけど、とても美しいものを

創り出しています。誰でも一生懸命努力して目標に向かっていけば、私たちの様にできると思います。」

 

「クラシック音楽は、私が知らなかった私を見つけさせてくれた。また新しい視点もくれました。

クラシック音楽の世界はとても美しく、それゆえこの世界も美しいと思えます。」

 

などなど、子供とは思えない感想がたくさんあります。

 

音楽があれば、人生は変えられる。

 

脳の構造の変化

 

音楽で脳の構造が変わる?

興味深い研究があります。

 

まずは、聴覚が変化します。当然ですが、音楽を演奏しますので。

聴覚が優れていると、クラスがガヤガヤしていても、先生のお話を正確に聞き取れる様になり、

言葉の習得も早くなり、言葉を理解する力、コミュニケーション能力が優れてくる。

 

さらに、脳構造が変わり、脳内で情報を早く大量に伝達できる。

すごいですね。

ぜひお子さんに音楽のトレーニングを受けさせて、ハイスペック脳を!

 

そして音楽で思いやりのある子・我慢強いが育つ本当の理由。

これは実際にピアノレッスンをしている私も感じることです。

思いやり、我慢強いに関しては、スポーツでも養われると思います。

ですがスポーツには常に、勝ち負けがありメンタルの強さが強調されますね。

 

音楽はまず音が出ます、その音にまず脳が癒され、やさしい気持ちになります。

そして曲を仕上げるまでの努力や忍耐は、多くの曲を弾いていくことで、自然と

養われます。

 

まとめ

 

論文の執筆者の一人である、ハビビ先生のインタビューでは

 

「音楽グループの社会適応能力、時に共感や思いやりの気持ちが高く、

他人の気持ちを理解して同じ気持ちになれる能力が高かった。

この能力は実行機能よりもさらに音楽的能力とはかけ離れていますが

グループで音楽を演奏する時に自分を制して周囲の音を聞き、また指揮者に注意をはらい、

その指示にしたがうなどの行動が、実際には意思決定能力や将来を考える計画性といった脳力まで

もやしなっている。」

また認知機能をうけもつ前頭葉も優れていた。

認知機能は、自己の衝動や感情をコントロールし、目先の欲求を辛抱する能力です。

ですから、認知症の患者さんは、感情をコントロールできず、辛抱もできません。

 

ぜひ、お子様に音楽を?

 

まだまだ続きます。

 

ではまた。

 

 

 

 

ハーバード流 育脳ピアノレッスンの教科書 これから未来に向けての音楽事情について

皆さんこんにちは。

今日は9月11日。 忘れることのないニューヨークでの出来事。

そして生まれた多くの歌や音楽。 やっぱり人を癒せたのは音楽でしたね。

 

今日はこれからの音楽、音楽教育についてお話ししたいと思います。

かつては「音楽では食べていけない」と良く言われました。

私も言われてきました。 そして一時的に音楽から離れてしまうことがありました。

でもやっぱり戻ってきました。

 

我が子の将来を考えると、ピアノを習わせても・・・。

という疑問が湧いてきますが、それも過去のことになりそうです。

 

音楽で脳の構造が変わる

 

人には宿命と運命があります。 宿命は持って生まれてきたものです。

例えば両親が高学歴である為に、自分も良い教育を受けることができた。とか

親がスポーツ選手であり自分もその遺伝子を受け継ぎスポーツで活躍できた。

などですね。

 

ですけど、せっかくの良い遺伝子を受けても、その本人の努力や希望がなければ

成立しません。

 

かたや運命は運ばれてきた運ですから、今までお話ししてきた様に、

家庭環境が良くなくても、両親が高学歴でなくても、その本人の意思によって

宿命を変えることもできる、ということです。

 

音楽だけではなく、スポーツなどでも我慢強い人間が育つと思いますが、

今回の論文では、音による脳への良い影響が指摘されていますね。

すなわち脳の構造が変化することです。

 

音楽で起業する

 

雑誌プレジデントのオンライン版によると、AI時代でも消滅せずに稼げる業種の中に

音楽アーティストや教師などがエントリーされています。

AIに取って代わることはできない大切な職業なわけです。

 

昨日も新聞(東京新聞 9月10日)の朝刊1ページのしたの本の紹介コーナーに

「音楽で起業する」というタイトルの本を発見して嬉しくなりました。

その、紹介文を少し書き出しますと、

 

『欧米では、音楽と最新テクノロジーが融合した事業を展開するベンチャー企業が

続々と誕生しています。本書では、日本でも徐々に増えつつある「音楽起業家」たちに、

”何故起業したのか””起業家に必要なものとは何か”といった質問を投げかけ、実像に

迫りました。

流通経済大学准教授 八木良太 著

ということで、これからの時代を生き抜く若いひとの、たくましさを感じます。

がんばれ!  かっこいいです!

 

 

音楽で脳トレ

 

音楽は、左右両方の大脳半球を使っていて、しかも言語よりも広範囲です。

ですから、幼児期の言語習得に聴覚がとても重要な役割を担っています。

言葉と音楽といえば、「お歌」ですね。 歌いながら言葉を覚える方が、ただ言語を習得させるよりも

ずっと楽しいですし効果的です。

 

バレエなども音楽なしでは踊れませんし、最近では音楽を流しながら書道のパフォーマンスを

する方達がいらっしゃいますね。どちらも素晴らしいですよね!

そしていかに音楽の果たす役割が大きいか!

 

ただピアノを弾くだけでも楽しいですが、何かとコラボするのもすごく楽しいです。

自分以外の人と一緒に活動することは、音楽の世界を広げるだけでなく、人生を広げてくれます。

それを証明したのが、映画『ストリートオーケストラ』です。

 

ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、これは実話です。

サンパウロ交響楽団のオーディションに落ちたバイオリニストのラエルチが紹介された仕事は、スラム街の音楽教師。

5分たりとも静かにできない子供たちに愕然とするが、「ギャングがラエルチ先生の演奏に感動して銃を下ろした」と聞いた子供たちは、音楽に興味を抱き、演奏に喜びを覚え始める。

そこから事件があり、展開していくのですが、是非ご覧になってください。

 

今日のまとめ

 

脳を育てる音楽の無限の広がりを、この投稿をしながら日々感じています。

「音楽」が今まで、『お遊び』てきに扱われていた部分がありました。

クラッシックのプロ以外は、ただの趣味で女子がやるもの。

 

でも時代が変化してきました。 それに対してどう生きていくかを

問われる様になりました。 深くて広いですね。 まだまだ続きますよ。

 

ではまた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハーバード大学流 育脳ピアノレッスン 数多くの論文について 論文の読み方について

皆さんこんにちは。

ここ数回にわたり米国の音楽に関する論文を少しご紹介いたしましたが、

「論文」に触れることがあまりない私にとっては、わかりやすく解説してくださる方が

いらして、良かったと思うのです。

 

これから皆さんが論文を読んでどのようにまとめれば良いのか、

ということも含めておはなしいたします。

 

論文の読み方

 

論文の構成は、大体以下の様に分けられます。

 

表題題名ですね。

著者研究に関わった人達、所属機関、発表年など。

要旨/概要実験全体のまとめ。

序文背景(研究の発端となる社会的背景や問題の所在)、目的、仮説の設定など。

材料と方法実験素材(参加者など)と実験方法

結果実験結果

考察論文の最も本質的な部分、仮説を立証したか。

結論実験目的、結果、仮説を一貫させる。

謝辞今回は訳していません。

引用文献訳していません。

 

上記の様に論文は構成されている様です。

皆さんも参考にして、読んだり、書いたりしてください!

 

そして今回の英文の論文の翻訳、そして現地アメリカでの

ピアノ教育に携わっている、河村なおみ先生のおかげで私も

アメリカにおける音楽教育の立場の違いを、よく知ることができ

音楽に対する考え方にもっと自信を持てる様になりました。

 

音楽は楽しいだけではないが、楽しむことが大切なことや、楽しいだけにとどまらない

深い部分での人に与える影響を知りました。

皆さんは、どうお感じになったでしょうか?

 

追加

 

ここで論文を訳してくださった、河村先生が今回お感じになった、

「脳科学と音楽」の研究の流れを追加しておきます。

 

  • 1990年代: 音楽は脳に良い影響がある、という研究が多く発表された。
  • 2000年代: 反論が多くなった。
  • 2010年代: 反論を踏まえた研究がなされてなお、音楽は脳に良いという意見が多い。

 

そして認知機能と実行機能について。

 

認知機能?実行機能?

 

認知機能と聞くと、認知症を思い出しますが、認知症ではなく認知機能です。

 

認知機能(Cognitive function)

外からの刺激に対して記憶、思考、理解、計算、学習、言語、判断

などをする知的な能力のことです。

実行機能/遂行機能(Executive function)

複雑な課題を遂行する際に決めた、目標の達成のために行動を選択し実行する、

我慢する、ルールの維持や変更に合わせる、などの高度な認知機能のこと。

 

認知機能→実行機能(遂行機能)     認知機能により実行機能へと進んでいく。

ですから、やはり認知機能が衰えると実行することができなくなる、ということですね。

 

まとめ

 

論文の中身は大変濃くて、頭一杯になりますが、無駄なことは一切ないですね。

何かをしっかりと説明するときに論文を参考にすることは説得力を増します。

皆さんも何かの参考になったら嬉しいです。

 

ではまた。

 

 

 

 

 

ハーバード大学流 育脳ピアノレッスン  実験結果その2 情報伝達システムも優れていた

皆さんこんにちは。

前回に引き続き、南カリフォルニア大学で行われた実験結果の

続きをお話しいたします。

 

2011年から5年間にわたり、ロサンゼルス市内の恵まれない地域の

お子さんに音楽のレッスンを受けさせ、「音楽の脳への恩恵」を追跡調査した結果

の続きです。

 

情報伝達システム

 

認知機能を高める脳内の情報システムも優れていた。

 

  • 灰白質、白質の厚み(神経細胞がある場所が厚い)
  • 脳粱の太さ、(左右の大脳半球の間にある橋が太い)
  • 音楽のトレーニングを受けえると脳構造が変わり、脳内で情報を早く大量に伝達できる。

 

そしてIQテストについてです。

 

IQテスト

 

大変に気になるIQについては、

  • この実験ではIQはグループ間の差異がなかった。
  • 別の実験ではIQと音楽のレッスンが明らかになった。

音楽レッスンを受けた子供の IQは高くなる。

音楽レッスンを受けた大人のIQは高くなる。

長期間の音楽レッスンがIQに良い影響を与える。

 

つまり、音楽の訓練によって、

  • 学校、社会への適応力が向上
  • 学業、仕事によく取り組める
  • 人間関係がスムーズ

 

という結果になりました。

この論文のタイトルは、

「音楽トレーニングを受ける子供の高速聴覚情報処理能力」であり

南カリフォルニア大学の5年間の研究の2年目の中間報告です。

 

結論

 

音楽のレッスンは脳育に貢献し、理想の子供を

育てられる可能性がある。

 

以上がアメリカで出されている論文の結論です。

 

まとめ

 

論文中に何度も出てきましたが、「脳を育てる」ことができる。

ということですね。

 

ここでのレッスンは、オーケストラのように皆で合奏する形態です。(下の写真参考)

一人で弾くピアノと合奏する時では少し形態が違いますが、

音を良く聴く、という点では同じですね。

楽しそうにバイオリンを弾く子供たちは本当に嬉しそうです。

この子供達の中には、「バイオリンを弾いていると、明日に食べる物の心配を

忘れることができた。」と環境的にはあまり良いとは言えない状態です。

 

それでもやっぱり楽しいからレッスンに来る。そして仲間ができる。みな苦しい生活を

している子供たちばかりです。音を共鳴させることで、同じ価値観を体験し、友情を

感じたことでしょう。思いやりも芽生えたことでしょう。

 

それが学校での学業に影響を与えることにもなります。

前向きな気持ちになり、目標を持つようになると、人は変わりますからね。

この実験をヒントに映画も作られました。舞台はブラジルでしたが、もちろんブラジルでも

同じような子供のオーケストラはあります。

 

ピアノでも、連弾というのがあります。

お互いを感じあって弾かないと、いまくいきません。

2人で引くと楽しく、また4本の手で奏でる曲はスケールの大きなものとなります。

ですから連弾は経験すべきことですね。

 

きちんとした実験より導き出されたこの結果をしり

私は自分の仕事に誇りと大きな責任を感じるようになりました。

今まであまり知られなかった論文を知り、より多くの方に知っていただきたいと

思い、お話しさせていただきました。

 

このシリーズはまだ続きます。

 

ではまた。

 

 

ハーバード大学流 育脳ピアノレッスン 聴覚の重要性 アッサル ハビビ心理学教授のお話しなど

皆さんこんにちは。

 

大きな台風が九州を北上してゆきました。

ここ関東でも時折激しい雨と風で、台風にあわれた地域の皆様の

一日も早い回復をお祈り申し上げます。

 

さて今日は、「幼児期の聴覚の重要性」などについて

お話ししていきます。

 

幼児期の聴覚の重要性

 

渕上達夫著「事象関連電位からみた小児の認知発達」

 

  • 聴覚」は単なる聴力を意味するものではない
  • 幼児期に言語としての音の理解のために必要な能力
  • 音に気づき、音の強さ、種類、音色、高低、リズムなどを認識し区別する複雑な機能
  • 聴覚の発達に伴って言語理解の能力が飛躍的発達を遂げる
  • また音の感度、方向性、弁別、認知力も著しい発達を遂げる

(幼児期は雑音の中から重要な音を聞く力などをつける

 

人間は生まれる前から聴覚があります。

生まれてからは聴覚を頼りに、周りを認識していきます。

そして人がなくなる時も最後まで聴覚は衰えないそうです。

 

言葉を覚えるのはもちろん、その聞こえてきた音で、色々なことを

認知してゆくのですね。

 

聴覚の重要性

 

「一次聴覚野」 Wikipediaから

 

  • 聴覚野はヒトにおける言語、音楽の処理の神秘的な要所
  • 右大脳半球の一次的聴覚野は調性音楽に対する感受性が高い
  • 左大脳半球一次聴覚野は音声言語の音の僅かな違いをキャッチ
  • 前頭前皮質内でも音を捉えて、共鳴する音、音の周波数、音に対して活性化し、負の感情を抑制する
  • 音楽によって人々の魂が安らぎを得るメカニズムとして考えられるかもしれない

音は人を癒すということでしょうね。

聞こえてきた音楽が楽しいリズムなら、人は楽しさを感じ思わず笑顔になります。

聞こえる音楽がやさしい音色なら、人は気持ちが落ち着くのです。

 

よく、音楽を勉強できる環境は家庭が裕福で、ご両親が高学歴で、だから勉強もできてピアノも

上手なんでしょう。という意見もあります。

それに関して2011年から南カリフォルニア大学で追跡調査が行われました。

 

5年間の追跡調査

 

南カリフォルニア大学での2011年から5年間の追跡調査。

 

  • ロサンゼルス市内の恵まれない地域の6歳から7歳児を募る。
  • 地域により両親の学歴、年収などのバックグラウンドが異なる。
  • 3つのグループに分けて脳の成長を観察する。

 

  1. 音楽のトレーニングを受けるグループ。バイオリンのグループレッスンだけで、今まで音楽のレッスンを受けたことがないことが条件。 レッスン代は無償、バイオリンは支給する。
  2. スポーツのトレーニングを受けるグループ。無償。
  3. 上記の2つのトレーニングを受けないグループ

 

この追跡調査の目標は、音楽が子供の成長発達にどう影響するのか解明する。

 

  • 学業成績への影響
  • 脳の認知能力の発達への影響
  • 社会性、情緒的な発育への影響

 

調査内容は

  • 言語能力
  • 認知能力(集中力、記憶力、脳の実行機能)
  • 社会適応能力(共感力、思いやり、友達関係)
  • 脳構造

調査開始時に全員がほぼ同じ状態であることを確認し

一年ごとに同じ実験方法で再度調査し、グループごとの

傾向を調べる。

 

この脳構造検知のために

  • MRIを用いて被験者全員の脳構造を画像処理
  • 脳波測定。電極をつけたキャップをかぶって脳内の電気活動を測定する。

 

その実験結果、音楽グループは聴覚が優れていた。

  • 音のピッチ、リズムの違いを識別できた。
  • 第3者のリズムを真似する能力がある。
  • 音情報の処理スピードが速い。
  • スピードは8、9歳で、ほぼ大人のレベルだった。
  • 他の音楽情報処理能力も優れていた。

言語を聞いて理解する能力

コミュニケーション能力

 

つまり、

  • 音楽の訓練を受けた子供たちは教室内で雑音があったとしても
  • 先生の話を他の子供より、より正確に早く聞くことができる。
  • 3〜4歳時で音楽的リズムを打つ訓練を受けた子供は、そうでない同年代の子供より
  • 言葉を早く習得する。

つまり学業成績に良い影響があり得る。

 

そして実験結果として、前頭葉も優れていた。

 

  • 前頭葉は認知機能を受け持つ
  • 認知機能とは、記憶、思考、理解、計算、学習、言語
  • 判断、計算、感情のコントロールなどの知的な能力。
  • 人が社会的、自立的、創造的な活動を行うのに非常に
  • 重要な機能とされる。

 

今日のまとめ

 

まだまだ実験結果の続きがありますが、今日はここまでにします。

今回は結構重かったですね。

実験結果が多岐にわたりましたので、この続きはまた次回にいたします。

 

ではまた。

 

 

P.S

当教室のお問い合わせは、

https://lin.ee/vLhlsJM

を検索してください。個別にご相談できます。

オンラインレッスンも受付中です。

 

 

 

 

 

脳科学と音楽とピアノ ハーバード流育脳ピアノレッスン 「習い事はピアノだけでいい」

皆さんこんにちは。

昨日はすごい雨と雷で、皆さんの地域はいかがでしたでしょうか?

私も自宅の雨漏りに絶句しました。

 

さて今日から何回かに分けて「ハーバード流 育脳ピアノレッスン」

何故ピアノが育脳に良いのかについてお話しさせていただきます。

 

ピアノの先生の仕事

 

ピアノ教育学(Piano Pedagogy) というクラスがアメリカの大学にはあるそうです。

そして、ピアノの先生という仕事はどういうことをする仕事か、ということを

次のようにいっています。

 

ピアノの先生はピアノ教育を通して

* 音楽愛好家、音楽のプロを育てる仕事です。

* 次世代を創造する仕事です。

* 生徒さんたちの育脳に貢献する仕事です。

* AIにはできない仕事です。

 

音楽愛好家、という表現は「音楽と知的に関わる」人のことですね。

教養のある人格者とも言えます。

 

ですから単に「お稽古ごと」ではなく、「育脳に貢献できる仕事」として

教える側もまた人格者であり、知的に音楽とか関わらなくてはなりません。

 

AI時代の職種

 

今、時代はAIの時代に急加速しています。 次世代に活躍する生徒さんたちも、この新しい時代に

生きていかなくてはなりません。では、これからの仕事はどう変化していくでしょうか。

 

時々お店で買い物や食事をするときに、今まで人がしていた仕事をAIが代わりになって

働いています。 注文をとったり、お会計をしたり、人件費が減りますが

働く場所が減っていくことになるわけです。

 

そこで次世代でも消滅せずに稼げる職種10とは

(PRESHIDENT Online 2018/1/15)

1 弁護士

2 プロデューサー

3 医師

4 宗教家

5 経営コンサルタント

6 バーテンダー

7 音楽アーティスト

8 教師

9 カウンセラー

10   デザイナー

 

何と音楽アーティストや教師、プロデューサーが入っています。

もちろん、これらの仕事も今では部分的にAIを導入していますね。

例えば、遠隔操作で手術をするロボットとか、

初音ミクなどの『ボーカロイド』です。

 

教育界もオンラインで授業したり、またピアノのレッスンもできます!

ですから次世代に乗り遅れないように私も必死です。

 

そして、ピアノのレッスンは理想の子供達を育てられる可能性がある。

 

体験できること

 

何故なら、レッスンを通して子供たちが体験できることがたくさんあるからです。

それらは、

* 大人は自分を愛し助けてくれるもだと知る。(信頼感)

* 大人との接し方を学ぶ。(社会性、協調性)

* 何かをやり続ける。(責任感、忍耐力、継続力、計画性)

 

などです。もっと細かくすると。

 

# 曲の習得を通して判断力、決断力を養う

# 何かをやり遂げる喜びを体験する(達成感、幸福感)

# 失敗を通して自分を知り、認め、対策や感情のコントロールを

学ぶ (謙虚、自制、解決力、人の痛みが分かる)

# 他の生徒さんたちと接する(友情、連帯感、協調性)

# 自信を持つ

# 自立する力をつける

 

などです。ですからピアノは子供の脳育に貢献します。

脳科学の研究によれば、ピアノのレッスンは人格形成と学業の

成功に役立ちます。

そして何より、たくさんの論文が発表されています。

 

音楽のレッスンがなぜ脳に良いのか

 

さていよいよ、こういう訳でピアノのレッスンは脳に良いのか

脳科学の発展からお話ししていきます。

 

1970年代  CTスキャンの発明により生きている人間の脳の動きを見られるようになった。

1992年   MRIの開発により脳内の血流の動きと活動領域が分かるようになった。

2013年   脳の活動地図を作り始めた。

2017年   記憶に関する研究が前進し始めた。

 

この進歩により、『右脳は感覚、左脳は思考』は過去の話になりました。

# UCLA  音楽学部の学生たちが音楽と英語を聞いた時の脳活動

によりますと

# 音楽と言語は同じ場所で認知

# 左右両方の大脳半球を使用

# 音楽の方が脳を広範囲で使用

 

ということがわかりました。

 

まとめ

 

今日のまとめとしては、ピアノはかつて『お稽古ごと』の一つで

あったが、近年の脳科学の発展により、ピアノや音楽の脳に与える影響が

はっきりわかってきたために、人格形成にも大切なものであることが

理解されるようになってきた。

 

ということですね。

さて次回はもっと詳しく掘り下げてお話しいたします。

 

ではまた。

 

「自宅での5歳男子のレッスン風景」

記憶力が飛躍的に進歩しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大人のピアノ ハーバード大学は「音楽」で人を育てる(一般書)

皆さん、こんにちは。

私は今回、夏休みの間に「ハーバード流 育脳ピアノ レッスンの教科書」のセミナーを

受講しました。

 

以前より、ピアノは脳に良いと漠然と言われていましたが、

アメリカでは具体的に効果を発表しています。

説得力があって、なるほどと思いましたので少しお話しします。

 

音楽教育と学業

 

 

学業は大切ですから、ピアノばかりを弾いていては成績は上がりませんが、

統計上音楽のクラスを4年間とっていた生徒は、1年半以下の生徒よりも

平均的に、総合点が92点高かった。

ちなみに、このテストの総合点は2400点だそうです。

 

このように数値化されると納得できますね。

勉強中の気分転換にも良いのでは無いでしょうか?

 

出席率

 

音楽の授業はアメリカでは、無い学校も存在していて、私立校には

音楽の授業はほとんどあるそうです。

そして学校内でピアノのレッスンを受けることもできるのだそうです。

良いですね。わざわざピアノ教室に通わなくてもいいのです。

音楽の授業があると学校に行きたくなるでしょう?

体育が好きな子供が運動会が好きなように。

 

成績

 

なぜ英語や数学の成績に影響するかというと、

まず耳が育つからです。 ピアノはじぶんの音を良く聞いて弾かなくてはなりません。

語学の習得にはリスニングがありますが、これは音楽やっている方は本当に発音良いです。

そして国語の音読も得意になります。

 

算数、数学については、数の概念が音楽には不可欠なので、

数学的な部分が好きで、良く理科系の方もピアノが好きだったりします。

お医者さんで音楽好きな方々、そして楽器を演奏される方々、意外と多いように思います。

 

まだまだ続きがあります。

今回はこの辺で。次回はリベラルアーツについて

お話ししたいと思います。

ではまた。